IT系大企業の新規事業に見る今後の企業のあり方
大企業といえば「安定」「事業の長期継続」というイメージが根強い。
一方、大企業と比較して語られることの多いベンチャー企業と言えば「挑戦」「革新的な事業」というイメージが根強い。
しかし、ここ最近の動きを見ていると、どうもこのイメージはすでに先入観になりつつあるように思える。
例をあげよう。
iPhone、Macで有名なApple社が自動車事業に参入した。
一流企業から一流の人材のヘッドハンティングし、本格的な開発に乗り出している。
「Titan」と呼ばれるこのプロジェクトだが、自動車産業の前提を覆しかねない可能性を秘めたものとして、世界中から注目されている。
孫正義の名で知られるソフトバンクは、人工知能を搭載したロボット「Pepper」を開発している。
販売価格は19万8000円だそう。
Facebookといえば、あのSNSで有名なITの大企業だが、ECに参入するべく、試験的にFacebookのモバイルアプリ内にショッピング機能を付加した。
EC(=Electronic Commerce)とは、商品やサービスを、インターネット上に置いた独自運営のウェブサイトで販売するサイトのことである。
SNS内でカード情報の登録などを簡潔することで、普段SNSを利用するユーザーはより快適にネットショッピングを楽しめるようになる仕組みだ。
統計データがあるわけではないが、感覚的にSNSを利用している人はECサイトを利用する割合が多いように感じる。
既存のECサイト(Amazon,楽天市場など)を脅かす存在として注目されている。
こういった動きを見ていると、冒頭であげた大企業とベンチャー企業のイメージは今後変わっていくように感じる。
これまでは、ある産業で大きな勢力を持っている企業が他の産業でも大きな勢力を持とうとするということはあまりなかったが、
これからは、大企業であっても第2、第3の産業にも事業を広げていくようになると感じている。
大企業にとっては、新しい産業に事業を広げることはリスクを伴うが、逆にそうしないことの方がリスクになる可能性高まっていくのではないか。