文系のプログラマーは特殊なのか?

よく求人を見ると「未経験可」、「高校生可」、「学歴不問」といった情報が付記されていることがあるが、プログラマーシステムエンジニアといった職種の求人には「文系可」と書かれていることがある。

これは、暗にプログラマーは理系がなるものだという一般の共通認識からきているものであると思う。

 

医者になるなら医学部に行く。

歯医者になるなら歯学部に行く。

では、プログラマーになるなら何学部を出ているのが好ましいのだろうか?

 

おそらく、工学部や情報系の専門学校ということになるだろう。

しかし、文系の機会音痴の僕が一からプログラミングやITの基礎知識を勉強する中で感じたのは、「プログラマーは理系だけのものではない。むしろ文系にこそチャンスがある。」ということだ。

 

物理や数学系の知識が必要となる場面もたしかに多くある。

その場合は、理系出身の方がアドバンテージは大きいだろう。

しかし、文系ならではのアドバンテージもあると感じている。

 

まず第一に、語学力である。

プログラミング言語は基本的に英語を母体としている。英語表記。

Rubyという言語があるが、これは日本人のまつもとひろゆき氏が開発した。

リファレンス(説明書のようなもの)を読もうと思えば、英語力が要求されるし、英語が使えるというだけで情報へのアクセスも用意になる。

また、人件費を削減するためにどんどん海外に仕事を受注する(オフショア)流れが出来てきている中で、日本人と外国人双方の意図をすり合わせていけるブリッジSEの需要も高まっているのが現状である。英語が堪能で、(システム開発の経験もあるSEのこと。)

文系だから英語が得意であると一概には言えないが、英語が得意だというだけで大きなアドバンテージとなるのだ。

 

 

次に、論理的な文章を書く力や読解力である。

プログラミングをするということは意外にもライターといった物書きの仕事と共通点が多い。

素人ライターなら、「1文字あたり◯円」というように文字数に比例して原稿料が上がっていくのだが、プロだと「1記事あたり◯円」という計算方法になる。

この2つの違いが意味することは、前者が量に価値を置いているのに対して、後者は質に価値を置いているということである。

つまり、プロになればなるほど、与えられた文字数という制約の中でどれだけ伝えたいことを表現できるかが求められるということである。長ければ良いという世界ではない。簡潔であればあるほど良いのだ。

プログラミングの世界においてもこのことは当てはまる。

経験を積むほど、複雑なロジックをより簡潔に書けるようになる。

そして一般的に、コードは簡潔であればあるほど処理速度が高まる。(もちろん例外はある)

複雑なロジックを簡潔に書くということに関して言えば、論理的な文章を書く力はプラスに働くはずである。

また、書くのと同時に他人が読んだコードを読むという機会も多くある。

この時に、どういった意図で書かれたコードなのかを読解する力も求められる。

 

 

思うに、プログラミングを理系のものだとする風潮から、かなりの人材のロスをしているように思える。

僕は文系であろうとプログラミングはできると思うし、それこそ文学部プログラミング学科のようなものがあっても良いと思っている。(かなりの批判を受けそうだが・・・)

 

Information Tecnology(IT)やComputer Scienceという言葉があるように理系の領域であるかのように語られがちだが、本質的にはニュートラルなものであると思う。