「社会人経験がない教員が多いことに対してどう思いますか?」の自分の回答
社会人経験がないまま教員になる。
大学を卒業してすぐ教員になる。
これは今の日本では教員になる王道である。
一方、こうした状況に社会側の要請としては疑念を抱いている。
最近では教員採用試験に社会人枠を設けて、一定数社会人経験のある教員を採用するという試みも増えてきている。
また、教員に民間研修を実施するという動きもあるようだ。
こうした議論は随分前からあるもので、その度に思うことがある。
それは、「社会人経験を積むアドバンテージとは何なんだろう?」ということ。
おそらく、一般論は、
社会に生徒を送り出す立場である教員が社会のことを知らないのはおかしい。
社会人経験がある教員は実社会の目線を持っているため、良い教育ができる。
ということだと思う。
とても抽象的だと思う。
だって、そもそも教員自体社会人なんじゃないの?
学級のマネジメントをしたり、保護者とやりとりしたり、教材やプリントを作るといったデスクワークもこなす。
これって立派な社会人ですよね?
だから、こういった議論は根本的に視点がずれているのだと思う。
僕が思うに、教員は必ずしも社会人経験(ここでいう社会人経験とは民間企業に勤めること)を積む必要はないと思う。
その代わり、社会に対して関心を持たなければならないと思う。
変化が激しい現代において、社会人経験があったとしても、社会は5年、10
年後には形を変えているのだからどんどん陳腐化されてしまう。
だから、大事なのは常に時代の流れに敏感になり、常に新しい情報を入手しようという姿勢なのだ。
たしかに民間企業に勤めたことがあるのなら、勤めたことのない教員よりも一つ多く視点を持っている。
しかし、必ず広い視野を持っているとはならないと思う。
民間企業だって、何年も勤めあげてようやく会社全体のことが見えてきたり、業界について考えることができるようになったり、社会全体に視野をうつせるようになる。
たかだか数年で社会のことがわかるようになんて到底なるわけがない。
教員は学び続けなければならない。